二つのブナ林を観て想うこと

美人林

人の手によって保護されている「美人林」と、日本自然百選に選ばれた200ヘクタールにわたって広がる「ブナの原生林」。両方とも、同じ松之山町にあるブナ林にもかかわらず、エネルギーが全く異なります。

人の手によって保護されている「美人林」は、すべてのブナの樹齢が90年と一緒であるために、幹の太さが一緒で整っている印象です。しかも、朽ちた枝や幹は取り除かれているので、見た目にはとても美しく、林全体が洗練されています。

二つのブナ林を観て想うこと

半年もの間、5メートル以上の豪雪によって人が立ち入ることができない「原生林」は、樹齢はばらばらですし、豪雪によって折れた枝や幹はそのまま倒れています。全く洗練されてはいませんが、自然が厳しいからこそ、生き残っているいのちの「生命力の逞しさ」と「野性」を感じさせてくれます。生と死をしっかりと見せてくれるので、いのちが循環することを体感させてくれる林です。そういう意味では、人によっては怖さを感じる林かもしれません。

洗練することや昇華することの美しさは、人間の持つ大脳皮質のなせる技でしょう。ただ、あまりにもここが占める割合が多くなってしまうと、下位の脳(大脳辺縁系や脳幹)と関連する生命力の逞しさや野性はコントロールされすぎてしまいます。どちらも欠くことの出来ない質ですから、どのようなバランスが適切か、というのを模索していくことが必要です。

人間としてのバランス、自然と共生することのバランスなど、二つのブナ林を体感することを通して考えさせられました。

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