稲刈り
- 2019/9/25
- 越後奥寂庵
今日は集落の稲刈りを見せて頂き、この辺りの田んぼの土壌のことなど話を伺いました。山の田んぼは標高が高いこともあって、平地の田んぼに比べると発育が悪く、同じ苗を植えても一株の太さは大分細いそうです。ですから同じ面積での収穫量は少ない。しかも棚田なので一つ一つの田んぼの面積が小さいために、畦の草刈りが大変ということと、農業機械が入りにくいのでその分労力が掛かるとのことでした。
その反面、水が澄んでいて綺麗ということと、秋になり気温の日較差が激しいことが稲に大きく影響し、山の米は美味しく、平地の米に山の米をどのくらい加えるかによって、値段が変わるそうです。確かに地元の米を戴くと、本当に美味しいのです。
「贄川さん、おめえ、米やるのか」と、地元の諸先輩方に笑顔で声を掛けられます。まだ決めてはいませんが、今日話を聴いてみて、小さな面積からでも試せるのであれば、来年から作ってみてもいいと思いました。あとは、機械が必要なので、最小限におさえたとしても現実性があるかどうか、試算をしてみる必要があります。
日本人にとっての身体性、精神構造、霊性を自分の身体を通して体験したくて、戦前までの日本が残る山間地域の里山を選び、古民家で過ごしながら農作業をしてきましたが、まさか稲作にも手を出すとは思いませんでした。ただ、少し体験させて頂いただけでも、田んぼは畑に比べて土がぬかるんでいるので、足腰をどっしりさせる必要があり、日本人の腰の低さ、肝の据わり方、大地への根付き方、自然との繋がり方、土着的性質などに深く影響している印象を持ちました。そういう意味で、稲作は興味深いです。