- Home
- リズムセラピー研究所
- 国連NGO「世界心理療法協議会」の正会員
国連NGO「世界心理療法協議会」の正会員
- 2018/3/8
- リズムセラピー研究所
このたび、第三者機関による厳正な審査を経て、ウィーンに本部がある国連NGO「World Council for Psychotherapy(WCP:世界心理療法協議会)」の公認心理療法家(正会員)になりました。国連の主要機関の一つとして、経済および社会問題全般に関して必要な議決や勧告等を行う経済社会理事会(ECOSOC)がありますが、WCPは、経済社会理事会に対して諮問的地位を有するNGOです。経済社会理事会で、生活水準の向上、経済・社会の発展、国際的な健康問題の解決、国際的な文化協力の促進、万人への人権尊重と基本的自由の奨励などのために議題が出される際、WCPからは心理療法の有用性を提案しています。
WCPの具体的な目標は、世界中に心理療法を奨励すること、平和維持とコンフリクトマネジメントのために世界中の諸団体と協力すること、人権の維持達成のための全ての運動を支援すること、特定の問題に働きかける国際的ワーキングループを設立すること、世界中に心理療法のエキスパートを派遣すること、感情的・精神的な領域の問題において各国の行政と協議すること、心理療法の国際インフォメーションセンターを開設すること等々です。
これらの目的達成のために、正会員は各自の能力を用いて、できる限りのサポートする義務があります。名簿を見る限り、日本人の個人正会員は私で2人目のようです。日本には数多くの優秀で素晴らしい諸先生方がいらっしゃるにもかかわらず、なぜ私のような日本では異端の一臨床家が正会員になれたのかを考えてみましたが、私が歩んできた道を振り返ると導かれたとしか言いようがありません。
心身統合に興味を持ち始めてからボディサイコセラピーを30年間学び続けるうちに、結果として心理療法の国際基準となるヨーロッパの認定を、BIPSのトレーニング団体認定を含めて3部取得していたこと、西洋の心理療法を日本人に統合するために新潟の中山間地域にある里山集落に古民家を購入して農家となり、地元の方々と関わりながら身体を通して日本人の質を感じてきたこと、日本文化と親和性の高いセロトニン的生活を提唱しているセロトニン研究の第一人者である東邦大学医学部の有田秀穂名誉教授のもとでトレーニングをさせて頂いていること、それらの体験から日本文化が持つ美質を実感し、世界平和に役立つであろう日本的美質を発信したいと思ってきたことなど、私としては、ただただ内的な衝動と情熱に突き動かされて突き進んできたに過ぎないのですが、そこには自力を超えた力が働いているとしか思えないのです。
WCPの途方もない目的のために、特別秀でているわけでもない凡夫の私に一体何かできるのだろうかと途方に暮れますが、今まで通り内的自発性と導きを信頼し、ハートからの衝動と情熱に従って前に進むしかないのでしょう。救いは、一個人としてできることは限られているけれど、世界中に居られる正会員と、世界平和のために国境と学派を越えて協力しあえる関係性に対して胸元が開かれていることです。そう思うと希望が持てます。
振り返ってみれば、私は日本の学会や協会には所属せず、一匹狼で仕事をしてまいりました。だからと言って全く一人では仕事を行うことは出来ませんでした。私を指導してくださった諸先生方の存在はもちろんのこと、この10年間、私のそれぞれの活動領域(BIPS、リズムセラピー、セラピューティック・ボディワーク講座、介護予防教室、農業、セロトニンDojo、リトリート、コンサート、Handance Clubなど)で、私の活動に共感してサポートしてくれた20名近くものアシスタントや協力者の力添えは必要不可欠でした。彼らには本当に感謝しています。私の活動に共感してくださる皆さまには、引き続きご協力頂けたら有り難いですし、今後は、様々な支援活動を国内外でされている方々にヒアリングをさせて頂くなど、WCPの目的のためにお力をお借りするかも知れません。その際はよろしくお願いいたします。
私はここ10年、「Think Globally, Act Locally」を意識してまいりました。「Act Locally」という意味では当面、私の活動内容に大きな変化はないでしょう。確かなことは「Think Globally」の視野がすでに広がってきていることです。視野が広くなれば私にとってのリアリティも変化し、それがまた私の在り方、活動領域にも影響を及ぼすことでしょう。それは私にとっても楽しみです。
私がまさか国連NGOに携わることになろうとは、一年前では思いもよらないことでした。きっかけは昨年5月に「アジア学院 農村指導者養成専門学校」を訪れた体験です。アジア学院では、紛争、貧困、災害などで苦しむ農村地帯からリーダーとして招かれた研修生達が、有機農法とサーバントリーダーシップを学び合っていますが、アフリカやアジアから来たNGOリーダーの話を聞いたり、青年海外協力隊の研修生達と関わる体験から、私のなかに「一粒の種」が植えられたのです。その種がようやく芽を出し始めた感じがしています。WCPからの連絡は、立春に相応しい朗報でした。
人生とは不思議なものです。