農家のおもてなし
- 2015/11/9
- 越後奥寂庵
昨日、11月8日は、以前から訪ねてみたいと思っていた、十日町市で雑穀を生産している農家さんを、この農家さんに繋げてくれた友人と一緒に訪ねてきました。雑穀の生産工程、必要な土壌環境、種の入手方法などなど、事細かく教えて頂きました。雑穀だけに留まらず、他の栽培の話にもなり、気がつけば3時間近く、お邪魔していました。豪雪地帯での栽培を知るには、実際にこの場所で栽培をしている方の話を聴くしかありませんから、本当に有難かったです。ご自身が培ってきたノウハウを惜しげもなくシェアしてくださる姿勢に頭が下がりました。
帰り際、「昨年、何人もの農家仲間から分けて欲しいとせがまれたほど美味しい枝豆を、おまえさんのところでも作りなさい」と、大豆を一升を渡してくださいました。それに、名前は知っていたけれど、食べるものだとは思っていなかった実の塩漬けと粕漬けもお土産として頂きました。美味しくて健康にもいいこの実も栽培します。大地に生きる人は、腰が低くて温かくて懐が深い。いいご縁を戴きました。来年の栽培計画が徐々に出来つつあります。
翌日の朝、玄関から声がしたので出ていくと、お隣りのお婆さんでした。くるま麩を持ってきてくださいました。そしてこんなことを言ってくださいました。
「おまえさんはいい人だな。この年になると、表情と声から人間が分かるもんだよ。おまえさんは人に好かれるよ。遠慮せんでいいから、遊びにいらっしゃい。お返しなんかいいから。当たり前のことだから」と。
相田みつをさんの言葉を思い出し、こう思いました。「いい人と思えるあなたの心が素晴らしい」と。場に包まれる喜びをひしひしと感じた朝です。7年前、集落で初めて会話を交わしたのが、このお隣りのお婆さんでした。その時に、このお婆さんの表情と目の輝きに驚いたものです。やはり、このお婆さんは達観した方でした。いつか写真を撮らせて頂きたいと思いつつ、今朝も言葉にはでませんでした。