十日町市地域おこし実行委員会主催 講演会・収穫祭のご報告
- 2015/11/9
- 越後奥寂庵
11月7日、「十日町市地域おこし実行委員会」主催の講演会&収穫祭がありました。会場は10年前に限界集落だった状態から、若い移住者を迎えて子供も増え、限界集落を脱出した池谷集落で、講演者は、先日松代(まつだい)でお会いしたドイツ人建築士、カール・ベンクスさんでした。講演を聴いて、日本の元々ある建築技術の素晴らしさをあらためて感じるとともに、東洋と西洋とを如何に編集するか、というヒントを戴きました。というのは、カールさんはドイツではドイツ建築のなかに日本の建築資材とデザインを入れ、日本では古民家を再生する際にドイツの資材とデザインを用いているからです。それらは双方とも素晴らしいものでした。また、古いものを大切にする必要性を何度も説いていました。最後に、私の大好きな画家、東山魁夷の言葉を述べられ、それを聞いてはっとしました。
「古い家のないまちは、思い出のない人と同じです。」
その後のパネルディスカッションでは、十日町市と長岡市で限界集落状態だった集落で、若者の試住、移住、定住を促しているサポーターがパネリストとなり、限界集落を脱出し活気のある状態を取り戻した体験、システム作りなどの話を聴くことができました。具体的なことを書くと長くなってしまうので省きますが、簡単に言うなら、地元と新しい風を吹き込む側が、いい形で与え合っているWIN WINの関係というのが、うまくいく共通点でした。
パネルディスカッションが終わると収穫祭。地元のお母さん達が作られたお料理の数々です。どれも素朴で、美味しいお料理でした。また、同席した方々との話も興味深い内容でした。宴もたけなわになったところで余興があり、賑わいました。国宝縄文土器「火焰型土器」が発掘された笹山遺跡でNPO活動をされている方の縄文の踊りが印象的でした。
講演、パネルディスカッション、収穫祭を通して、いろいろと話を聴くなかで、それぞれの取り組みの共通点と違い、両方を知ることができましたし、私が越後奥寂庵で行っている活動の強みと課題、位置づけも見えました。20年後、多くの限界集落が消滅すると思っていましたが、このような取り組みによって限界集落に若い世代、家族が増えることができるのなら、希望が見えます。今回の講演会&収穫祭に各地から新潟に引き付けられてきた多くの方が参加し、元気なエネルギーに満ちていて勇気づけられました。里山は日本の大切な財産だと感じていますので、嬉しいことです。