今後の活動につきまして

いのちのいとなみWorks再生古民家を手に入れ、越後奥寂庵と名づけてから7年の歳月が経ちます。この間、地元で信頼を得ようと地元の雪だるま財団と連携を取りながら活動をして参りました。その甲斐があったようで、先週末、さらに地元の方々のご理解とご協力を得るきっかけとなる出来事があったのです。私のためにいろいろと動いてくださる方々が地元で登場してくださり、頭で状況を理解するよりも早くに出来事が動き出している感覚があります。その流れに乗るしかないような気分になっていますが、そのような流れのなかで同僚たちが7月18日から20日までの三連休に、越後奥寂庵を訪ねてきてくれました。彼らと3日間を過ごしてみて、私が感じていることが確信に変わりました。「機が熟した」感があり、肚が据わりました。何かに導かれているとしか言いようがありません。そこで今後、東京での活動は継続しますが、越後奥寂庵を活動拠点と発信基地として展開していくことを決めました。
いのちのいとなみWorksコンセプトは「いのちのいとなみ」です。身体、心、生命エネルギーすべてにおいて、個人セッションやワークショップは個人の変容にとっては重要なものであるけれども、「そこでの体験を如何に日常生活、生き方、環境に統合するか」という点がとても重要になります。個人セッションやワークショップは、非日常的な空間だからこそ、安心して内面を探ることができる訳ですが、そこで生まれた新しい自分、或いは本来の自分を、どのように日常で表現し統合していくか、というのがかなり重要な部分になるのです。しかし残念なことに、ワークによって鎧が溶けて繊細な本質と繋がった人間、遊び心と創造性に満ちた柔軟な人間にとっては「どのように生きていけばいいか」ということを模索するのが困難な時代になっています。それは多くのクライアントさんを観てきて感じるのです。なぜなら現代社会では、心で何を感じているかということよりも目に見える成果や効率性が求められ、パソコンなどの頭脳労働が圧倒的に多くなったために、生活のなかで五感を働かせながら全身を使う「いのちのいとなみ」が昔に比べると圧倒的に少なくなっているからです。特に3.11以降、個人を支える社会的、環境的、精神的な器が希薄になったために、新たな可能性に対して心を開く余裕がなくなり、既存のシステムのなかでサバイヴするだけにエネルギーを取られ、個人にとっての生き方や在り方を振り返ることが困難になってしまいました。

在り方というのは、頭で考えただけでは実体感を伴いません。日々のいとなみのなかで、大地に足の裏を着けて下半身を働かせ、肚(はら)を充実させることによって自ずと自己の中心が定まり、結果として在り方が変わってくるのです。もともと日本人は、大地に根ざし、肚を据えて肚で考え、行動していました。上半身を過覚醒させた思考優位の状態から、下半身を活性化させて、人間としての全体性を取り戻す必要があるのです。頭脳労働やストレスフルでスピードを求められる都会では、どうしても交感神経優位となるために腹部から血液が撤退し、肚が充実するどころか、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など消化器系の疾患になったり、お腹が空っぽな感覚を味わったりしやすいのです。そこで、都会から離れ、日本人にとっての霊性、自然、文化、生活形態、いたわり合う関係性、コミュニティ・・・それらの「いのちのいとなみ」が現存する越後に身を置き、生活のなかで身体と心を整え、五感を開いて自己の可能性が開花する機会、自分の在り方を取り戻す機会を提供したいという思いが強くなりました。

また、リズムセラピー研究所では「自然のリズムと同調しながら、自分のリズムで人生を歩んでいきたい方のために」と標榜していますが、「日の出とともに目覚め、日の入りとともに休息する」という自然のリズムで生きることも、刺激の強い都会では、よほど強い意志を持たなければ困難です。東邦大学医学部名誉教授でありセロトニンDojo代表の有田秀穂氏が言及しているように、自然のリズムと調和した生活の欠如、ストレス、パソコンなどの作業が、脳内伝達物質のセロトニンを減少させ、うつ病やパニック障害を発症させてしまうリスクを高めてしまいます。現に、インターネットの普及率とうつ病の発症率には比例傾向があります。私はセロトニンDojoの師範としても、自然のリズムのなかで自分のリズムを取り戻すことも提供したいのです。自分のリズムで生きることと個人の在り方は、密接に関連しあっていますし、平穏や平静、少欲知足というセンタリングが取れた状態とセロトニン活性も関連していることも興味深い点です。
いのちのいとなみWorks越後奥寂庵において今後は、非日常的な空間で行われる身体心理療法ボディワークドラミング、呼吸法など専門性の高いワークを提供するとともに、農作業、自然散策、薪割り、山菜採り、郷土料理など、自然のリズムに同調した「いのちのいとなみ」を組み合わせて提供していく所存です。そうすることによって、ワークでの内的体験を日常に根づかせやすくなりますし、もともと日本人としての遺伝子に組み込まれた「いのちのいとなみ」にアクセスすることによって、日本人としてのアイデンティティ、日本人としての在り方を取り戻すことにもなると思っています。この「いのちのいとなみ」は、都会で行うエクササイズに比べて遙かに有機的であり、身体、心、霊性をも包含する力を備えているのです。非日常的な空間で行う「身体心理療法、ボディワーク、ドラミング、呼吸法」などと、地域に根ざした「いのちのいとなみ」の両方を行う活動を「いのちのいとなみWorks」と名づけました。形式としては、宿泊型の個人セッション、少人数リトリート、企業研修、外部団体との提携企画になります。なお、海外から講師を招聘して行うリトリートは引き続き開催して参ります。
いのちのいとなみWorks詳細はこれから決めて参ります。決まり次第、少しずつ告知させて頂きます。

いのちのいとなみWorks

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