BIPS 公開ワークショップの風景

公開ワークショップ

2月2日3日と、ロンドンからボディサイコセラピー(身体心理療法)歴40年のクローバーさんをお迎えして公開ワークショップを東京で行っていました。クローバーさんは現在、ロンドン・バイオダイナミックス心理療法スクールの所長をされていますが、今回は特別に来日してくださいました。この写真を観て頂ければ、どれほど愛に満ちた方なのか、お分かりになるでしょう。とても愛に満たされた空間でした。

ワークショップでは、ゆったりした時間が流れていて、如何に私たちは普段、忙しくしているか、ということを実感しました。目の前のことに対処していくためには、私たちは交感神経系を使います。脳や心臓、身体を動かすための大きな筋肉に血液が流れ込み、思考が働いて対処方法を考え、心臓が全身に血液を送り出して、動ける体勢を作るのです。それはそれで大切なことですが、交感神経系では外側に焦点が向くために、内面に起きている繊細な動きや衝動、気持ちは、交感神経系では感じにくくなってしまいます。

バイオダイナミックスでは、自我形成のために交感神経系のワークもありますが、基本的には安全な場を創り出し、副交感神経系で湧き出るコアからの生命エネルギーの流れを大切にしています。そのためには、時間の流れを普段のテンポよりもかなりスローにして進める必要があるのです。交感神経系は、意志や努力で物事に対処するので、やろうと思えば短時間に向き合うことができますが、副交感神経系は意志の力ではなく、意志や努力を手放し、起きるのに任せる必要があるからです。ゆったりした時間のなかで、微細な気持ちや記憶、創造性が浮上してきます。

公開ワークショップ

クローバーさんは御年77歳ですが、気持ちも行動もお若いです。バイオダイナミックスの創始者のゲルタ・ボイスン女史は「喜びは、私たちが生まれながらにして持っている権利である」と言っていたそうです。クローバーさんは、きっとそのような生き方をされてきたのでしょう。ワークショップが終わってから一緒に帰りましたが、鼻歌を歌いながら楽しそうに歩いていた姿からそう感じました。そのような魅力的な人と一緒の時間を共有するだけでも、得るものがたくさんあります。感謝感謝です。

公開ワークショップ

また、今回のワークショップでは、触れることがどれほど心とからだの深いところまで到達するか、ということを参加者全員が実感されたと思います。具体的なことは守秘義務があるので書けませんが、素晴らしい体験でした。

「人は与えることによって、受け取る」という循環があることも、あらためて感じました。

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