3日間に渡るBIPS 公開ワークショップが終わりました。今回のトレーナーはフランスから来日したバイオダイナミックス学派の国際トレーナー、Christiane Lewin女史です。「声と身体 〜チャントセラピー〜」というテーマだけあって、3日間殆どの時間声を出し続けました。にもかかわらず、3日間を通してグループ全員、咳き込んだり声がかすれたりすることが殆どなかったのが不思議です。それよりも、どんどん身体が解れて喉が開き、声域が拡がり、かつ大きな声が出るようになっていきました。
身体にある緊張(防衛)に抗わずにコアと繋がっていくプロセスは、まさにバイオダイナミックス心理学です。このチャントセラピーは、Christianeが30年の研究をもとに作られたものですが、彼女にとってはバイオダイナミックス心理学の一つの強力なツールであることがよく分かりました。心理療法において声を扱うことへの可能性を垣間見させてくれました。これを機会にChristianeが来日する際にはチャントセラピーの公開ワークショップを継続して深めていきたいという気持ちにもなりました。
越後奥寂庵でBIPS 公開ワークショップを初めて行ってみて、BIPS 公開ワークショップの場合、希望者が全国から参加しやすくするために、交通の便が良い場所での開催がいいように思いました。それと同時に、これだけ不便な場所で行う良さも実感しました。今回であれば声を出し終わった後、外からは車の音などの人工音は一切聞こえず、聞こえてくるのは雨音、鈴虫やヒグラシなどの音、沢のせせらぎだけで、皆さん深く寛いでいましたし、美味しい水と美味しい空気がある場所で思う存分息を吸って声を出せたこと、宿に帰れば温泉があったということは、参加した人にとってはとても贅沢な時間だったのではないでしょうか。不便な場所まで足を運んでくださった参加者に感謝です。そして南仏から2日掛けて越後奥寂庵まで来てくれたChristianeにも感謝です。