コンサート「組曲 進化論 2015」のご報告

組曲 進化論 20152015年3月8日、虎ノ門のB-tech Japanでのコンサート、「組曲 進化論 2015」が終わりました。素晴らしいピアノであるベーゼンドルファー2台とパーカッションという珍しい組み合わせでのコンサート、しかもすべてが即興演奏という演奏者にも想像がつきにくいコンサートでしたが、とても楽しい時間となりました。お越し頂いた皆さまからも素晴らしい感想を頂き、このような音、空間が気に入ってくださったことが何より嬉しいことでした。

昔からの友人で、今までも何度かご一緒したことのある即興演奏が専門のピアニスト河上素子さん、それと何度かお会いして話をさせて頂きましたが、共演は初めての金大偉さんとのコラボレーションでした。金さんは、ピアノも演奏されますが、音楽、映像、美術などを統合的に表現するマルチタレントで、最近、金さんが監督を務めたドキュメンタリー映画「花の億土」を観に行き、大変感動したこともあり、今回ご一緒するのが楽しみでした。

組曲 進化論 2015

今回、曲のイメージはお互い共有しましたが、譜面のない即興演奏でしたので1部と2部とは演奏は異なりました。しかし、お互いが持つイメージは変わらないため、曲から想起されるイメージは1部も2部も、似たものが伝わったと思います。今回のテーマは「進化論」。普段は全く異なる領域で活動をしている3人ですが、異なる楽器、異なる技術であっても、混じり合い溶け合うことが可能であることが分かりました。

即興演奏は、楽曲という構造がない分、その瞬間に意識を向ける必要があります。今ここに集中し、音に呼応しようとすればするほど、思考は薄くなります。自由さ、柔軟さ、自然発生的な呼応は、思考を介す余裕がないからこそ沸き上がるものです。思考があると物事を複雑にしてしまい、差別や区別が生まれます。しかし、思考が介在しなければ、異なるジャンル、異なる楽器、異なる技法であっても、内面にある気持ちやイメージは共有でき、一つになることができる、ということをコンサートでは体験させて頂きました。思考が介在しなければ、文化、宗教、民族が異なっていても、一つになることができるのではないでしょうか。今の世界には必要なことのように思えました。それが私にとっての「進化論」でした。

組曲 進化論 2015

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