BIPS 3期セラピスト養成トレーニングコースの3日間の合宿を、京都で行ってきました。先週に引き続き、トレーナーはChristiane Lewin女史です。公開ワークショップとは異なり、トレーニングではバイオダイナミックス心理学の基本的なマッサージを行いました。
バイオダイナミックス心理学では、消化器は食べ物を消化するだけではなく、情動も消化するとしています。ストレスに耐えうる許容量を超えてしまうとトラウマになりますが、閾値を超えた情動は、運動神経系の筋肉(横紋筋)に鎧化されるだけではなく、自律神経系が支配する消化器の平滑筋にも鎧化されてしてしまう、としているのです。突飛な考え方だと思われるかも知れませんが、日本語には「はらわたが煮えくり返る」「断腸の思い」「腹を割って話す」「肚黒い」など気持ちと消化器とを関連づけた表現があるように、私たちは不安や恐怖、怒りや悲しみなどを感じると、呼吸器同様、消化器にも即座に影響が出るものなのです。身近な例として、急激に緊張したり恐怖を感じたりすると下痢をしたり、慢性的なストレスが掛かると胃潰瘍や過敏性腸症候群になることからも、誰もが体験的に理解できる考え方なのではないでしょうか。
情動が閾値を超えるものでなければ、消化器の蠕動運動によって消化されますが、閾値を超える情動の場合は、平滑筋が鎧化してしまいます。鎧化した消化器の機能を回復していくためにバイオダイナミックス心理学では、クライアントの状態に合わせて心理療法とともに多種多様なマッサージを全身に施し、生命エネルギーの流れを促進させます。消化器の機能を回復することによって私たちは、本質(コア)と繋がることができるようになるのです。
3日間で学ぶには限りがありましたが、それでも有意義な3日間でした。