大震災の翌日、3月12日に長野県栄村を震源地とした「長野県北部地震」がありました。この地震によって越後奥寂庵は半壊状態になり、補修工事に半年かかってしまいました。というのは、栄村役場から奥寂庵まで直線距離にして約11kmだったからです。
この地震の影響で、越後奥寂庵から隣町の十日町市松之山町に出る道が数カ所で崩れてしまい、未だ復旧の目処は立っていません。しかし、峠にある「鼻毛の池」までは通行できるようになりました。それで今日、3年ぶりに鼻毛の池に行ってきました。
鼻毛の池は3年前と変わらず、静かな佇まいでした。この池では以前、クライアントさんと二人で、目を閉じて太鼓を叩いたことがあります。その時、太鼓の音に呼応するかのように雷が鳴ったり鳥が鳴いたりしたことを思い出しました。それほど「大地」と「人間」との境界の薄い場所です。
また、お気に入りの池に来られると思うと、喜びが湧き上がってきました。
「鼻毛の池」にあったもみじです。もう紅葉が始まっていました。あともう少しで鼻毛の池全体が色づくことでしょう。
「鼻毛の池」から見下ろしたところです。遠くに日本海が見えます。「鼻毛の池」まで越後奥寂庵からクルマで数分。そう思うと山深いところに居ることを実感します。
「鼻毛の池」は、越後奥寂庵のある上越市大島区と隣町の十日町市松之山町の境の鼻毛峠にあります。この峠に到達するためには、かなりの坂道を登らなければなりません。もともとは「鼻蹴峠」と書いたそうです。前を歩いている馬が、後ろの馬の鼻を蹴るくらい急な峠ということで「鼻蹴峠」と名付けられたようです。それがいつの間にか「鼻毛峠」となりました。この峠の頂上にあるのが「鼻毛の池」です。
「鼻毛の池」からの帰り道、夕焼けが綺麗でした。昨日、山梨で撮影した夕焼けとは違います。それは今回に限らず、いつも思うことです。越後奥寂庵の場合、太陽が日本海に沈むこともあって、色合いが強烈なのです。豪雪の頃にまた、この場所で夕焼けを観てみたいものです。
これが日本海に沈む夕焼けの色です。山脈の向こうは日本海です。ですから、越後奥寂庵は山間集落にありますが、地物の海の幸に恵まれています。そろそろ天然のぶりが食べられます。地元の漁港で揚がる鯛も平目も甘エビも安く手に入りますから、有り難いです。