還暦に寄せて
11月1日に、還暦を迎えました。
60歳という年齢を四季に例えると、丁度今どきの、冬に備えて木々が紅葉する季節となるのでしょう。良い季節です。
還暦になって思うのは、「人生は思っているより短い」ということです。私には「何かを成し遂げたい」という野望は殆どなく、それよりも心惹かれる気持ちに正直に生きてきたように思うのですが、振り返ってみると「何かを為す」には人生は思っているより短いということです。
ですから、この先、何年生きるかは分かりませんが、今と同じように活動できる年月には限りがあるという現実に直面すると、これからは「あれもこれも」という足し算の生き方ではなく、心身の断捨離とともに引き算の生き方をしたいという想いが、自然と湧き上がります。今は、サン=テグジュペリが残した言葉が心に浸み入ります。
”完璧とは
付け加えるべきものがなくなった時ではなく
取り去るべきものがなくなった時のこと”
「時は金なり」という表現がありますが、本来の意味は一緒だとしても、今の自分の感覚では「時は命なり」という表現の方が腑に落ちます。前述したように、今までも心惹かれる気持ちに正直に生きてきましたが、これからはさらに、一瞬一瞬の命を意識し、感覚を研ぎ澄まして自分の内奥が震撼すること・もの・ご縁を大切にし、妥協せずに生きていきたいと強く思います。といっても頑固になり過ぎず、心身のしなやかさは何歳になっても持ち合わせていたいですね。