国立市での活動報告

国立市とのご縁のはじまりは、2003年に、国立市保健センターにて産婦人科勤務の看護師と助産師を対象としたプログラムを行ってからになります。この時、参加された皆さんには再誕生の体験をして頂いたのですが、「お母さんが息むだけではなくて、赤ちゃんも力を使って出てくるんですね」という感想がとても印象に残っています。
その後、ドラミングを用いた「家族介護者教室『ストレスコントロール法』」を、継続して保健センターにて行いました。ご両親の介護に疲れた方々にご参加頂き、何を言っても安心な場で本音を言い合い、気持ちを分かち合い、言葉にならない気持ちを太鼓で表現していきました。多くの参加者が「ここのプログラムを終えて帰ると、両親に自然と優しく接している自分が居ました」ということを体験されていました。
このような流れで対象を広げ、高齢者支援としての「介護予防教室」を2007年からコロナ禍で「介護予防教室」が中止になる2020年まで月2回、行ってきました。



コロナ禍が明けてからは、2015年から続けてきた、介護予防教室を卒業された方々のための自主グループ「叩いて健康」を月1回、継続してきました。残すはあと1回となります。

今日、皆さんで太鼓を叩いてきましたが、あと1回ということもあり、太鼓を続けてきたことの思いの丈を述べてくださいました。9年前からずっと継続してくださった今年12月で93歳になられる男性は、こう述べられました。
「9年前に膵臓がんが見つかりましたが、その時から継続して太鼓を叩いてきたことでがんの進行が抑えられ、未だに大きくなっていません。医者も驚いています。いつも太鼓を叩くと身体が熱くなり、精神的にも元気になりますから、免疫力が高まっているのでしょう。太鼓の素晴らしさを大にして伝えたいです。この会は一度休止となりますが、再開の連絡があることを日々、望みながら過ごします。」
他の参加者の方からも、辛い体調の時にどれほど助けられたか、というようなことを言われ、細々であっても心底望む人達が居ると思うと、どうにかして継続できれば、という気持ちになります。あうんの呼吸のように、ファシリテートしなくても全員が無心に叩き、リズムに乗り、自然と終わりを迎え、静けさを全員で味わうという時間は、かけがえのない時間です。
国立市とのご縁を頂いてから22年間、コロナ禍を除いて毎月2回通い続けました。500回以上国立市に通った計算になります。毎回の参加者の皆さんとの出会いは、心に刻まれていますから、感慨深い想いです。
このご縁が無理のない形で続きますように。