場を整える

一難去ってまた一難。寒波再来の天気予報があり、それまでに屋根に覆い被さる雪を下ろし、4mもの積雪の除雪をしなければなりませんし、早急に外壁の修理、電線の回復、給湯器の交換などをしなければ、暮らしが成り立たない状況です。思いもよらない出費になりますが、豪雪地帯の宿命として受け入れましょう。単なる出費と思うと辛いですが、越後奥寂庵という場がより良くなる機会だと捉えると前向きになります。心の持ちようで気分が変わるものです。

思い返せば越後奥寂庵をより居心地の良い場にしようと思い立ったのは、2023年でした。コロナ禍が明けたこともあり、奥寂庵での活動に向けて、雪に削られた外壁の塗装に踏み切ったのです。板壁を黙々と塗り続ける作業はある種の瞑想で、気持ちのいい時間でした。下から塗り始め、徐々に高いところに移っていくと、高いところにも慣れていくものです。除雪作業も塗装作業も慣れてはいきますが、逆にやればやるほど慎重になり用心をするようになります。それは小さな怖い体験を重ねるからです。

自然は、どんな状態であっても受けとめてくれる母性的な側面とともに、獅子が我が子を千尋の谷に落とすような父性的な側面があります。自然から、人としての有り様まで学ばせて貰っています。