越後奥寂庵から、新しい映像シリーズ
「静寂の八分間 — Eight Minutes of Stillness」の配信を始めます。
新潟県上越市の山あい、冬には深い雪に包まれる豪雪地帯に佇む越後奥寂庵。ここでは、季節が移り変わるたびに、光の色も、風の気配も、鳥や虫の声も、沢を流れる水の響きも変わっていきます。「静寂の八分間」は、そんな奥寂庵とその周辺に流れている時間を、8分間の映像と、その場所で収録した環境音によってお届けするシリーズです。
映像は、基本的にカメラを三脚に固定して撮影しています。カメラを動かしたり、ズームしたりするのではなく、一つの風景をしばらくじっと見つめる。それは、動く写真を眺めるような時間でもあります。そこには、風に揺れる木々や草、水の流れ、光と影の移ろいがあります。そして、沢のせせらぎ、鳥のさえずり、ひぐらしや虫の声、雨音など、そのとき、その場所に存在していた音があります。音楽やナレーションは加えていません。
何かを説明するための映像ではなく、何かを急いで理解するための時間でもありません。ただ8分間、その場所の光や風や音に触れながら、少し立ち止まるような時間になればと思っています。
第1回は、「越後奥寂庵・2026年8月」。
夜明け前の静けさから朝の光へ。夏の深い緑、突然のスコール、雨上がりの空、そして夕暮れまで。盛夏の奥寂庵と周辺の山里に流れた一日の時間を、31の風景で綴りました。
これから、月に一度のペースで越後奥寂庵において、その時々に出会った風景と環境音を8分間の映像としてお届けしていく予定です。同じ場所であっても、自然はひと月として同じ姿を見せません。夏の緑から秋の色へ。落葉、初雪、深い雪の静けさ、雪解け、そして新緑へ。一年を通して「静寂の八分間」を重ねていくことで、越後奥寂庵を取り巻く自然の時間そのものを記録していけたらと思っています。
忙しい日常のなかで、ほんの8分間。
画面の向こうに広がる越後の山里の風景と音に、静かに身を置いていただければ幸いです。