ご挨拶
MESSAGE
不確実性の時代に
持続可能な世界を目指して
一人一人ができることを
現代は、右肩上がりの経済成長が限界を迎え、「激動・不確実性・複雑性・不透明性(VUCA)」に満ちた、不安定で予測困難な時代になりました。このような背景から、人間・社会・地球環境の持続可能な発展を意味する「サステナビリティ(Sustainability)」に注目が集まり、2015年の国連サミットにおいて「持続可能な開発目標(SDGs)」が採決されたと言えます。SDGsの特徴として「普遍性:先進国を含めた全ての国が行動する」「包摂性:誰一人取り残さない」「参画型:全てのステークホルダーが役割を」「統合性:社会・経済・環境に統合的に取り組む」「透明性:定期的にフォローアップする」が挙げられますが、これらの目標を達成するには、様々な規模の団体・組織・国が、自己保身的な既成の枠組みを緩ませ、相互交流可能な対話を生む柔軟な枠組みと利他的なヴィジョンを持つ、より大きな器となる新しい組織作りが必要になります。
新しい組織を作る際に重要なことは、理念、組織構造、規約などの枠組みを変えるのみならず、構成員である私たち一人一人が内面と向き合い、変容していくことです。なぜなら、ハード面、ソフト面とも変容していかなければ、持続可能にはならないからです。ではいったい、私たちはどのように内面と向き合えばいいのでしょう。自分自身の生き方や価値観を問い直し、必要のなくなった過去の業績や価値観、感情を手放し、痛みや不安、繊細さを受け容れ、今この瞬間に生じている自己の内奥から表出する感覚を信頼し、大人としての責任をともなって生きてゆく道に、勇気をもって一歩を踏み出すことです。それは他者の評価や賞賛を求めて行動するものでもなく、他者と競争して勝つためでもありません。あくまで自己の内奥に正直に生きるということです。
私たちは家庭、学校、会社のなかで競争を強いられ、目標を達成するために努力をしてきました。そのような努力の恩恵として、今の豊かな社会があります。それと同時に、競争社会を生き抜くためには防衛的で利己的にならざるを得ない、という弊害もあります。そして誰もが、「私が、私が」と自分に焦点を向けているにもかかわらず、その「私」は外界に認められることに必死になっているという、矛盾を抱えています。本来の自己と切り離された「私」は、他者と心を開いた信頼関係を築きにくくなり、いのちと繋がっている実感を得にくくなってしまいます。
物質的に豊かであっても、心の内面に空虚さを抱えている現代人は多いのではないでしょうか。
空虚さがあるのは、生き抜くために必死に頑張っているうちに自分を見失ってしまったからです。まず、頑張ってきた自分を褒めてあげましょう。そして、徐々に外界に向けていたエネルギーを内側に向けるゆとりを持ちましょう。内側には痛みがあるかも知れませんし、悲しみや絶望もあるかも知れません。しかしその奥には、台風の目のように穏やかな平和があります。本来の自己に還ってはじめて、そこから始まるものがあります。自己の内面に平和を感じない人が、外界に平和な世界を創り出すことができるのでしょうか。内なる平和に責任を持つことから始めましょう。
国連NGO 世界心理療法協議会(The World Council for Psychotherapy)の正会員として、このような変容のお手伝いを微力ながらしたいと思い、このサイトを作りました。からだ、こころ、精神、エネルギーを調和に導く身体心理療法(Body Psychotherapy)、からだに直接働きかけるボディワーク、調和に向かう音楽の治癒力、自分を超えたいのちと繋がる自然散策や農作業体験、社会的役割から離れて静寂を感じる瞑想などにより、本来の自己に還るお手伝いをします。内なる静寂(Inner Silence)、内なる平和(Inner Peace)は、普段感じられないだけで、今この瞬間にも内面にあるのです。